ユルハの杜 「ただ、そこにいるだけで。」──メタルマンの記憶
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森の広場の片隅に、いつも静かに座っている影がある。
動かない。話さない。でも、どこか安心できる。
それが「メタルマン」。
ある日、ガリベン君がこう言った。
「どうして、いつもここにいるの?」
メタルマンは、ゆっくりと顔を上げて、こう答えた。
「風を感じるんだよ。」
フォルテがつぶやく。
「……音が消えたとき、静けさがいちばん響くんだ。」
にのみや君は静かにうなずいた。
メタルマンは、語らぬ守人(もりびと)。
この国がまだ鉄と木と風だけでできていた頃から、
森の中心で、全てを見てきた。
その身体は、すべてがステンレスでできている。
錆びず、朽ちず、忘れられず──
今日もまた、彼は静かに、
誰かの帰りを待っているのだった。
彼は語らない。ただ、そこにいる。
それだけで、心が落ち着く存在──
鋼でできた身体。風とともに生きる記憶。
森の妖精たちを、ずっと見守ってきた“無言の守人”。
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